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SAKURA RESIDENCE (プノンペン サービスアパートメント)

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カンボジアの首都プノンペンの中心地に建つサービスアパートメントです。

地下1階地上17階、69戸の住戸と、低層部の共用スペース、最上階にはプールとジムが設けられています。

 

熱帯という気候で、市街でありながらも豊かに育つ樹木と、明るい日差しと日影に流れる気持ちのよい風、成長する街の鼓動をダイレクトに感じられる市中心地、豊かな環境に建つプノンペンならではの建築を考えています。

 

大きく育った街路樹からなる自然と一体となった街並をそのまま建物が拡張できるような、開放的な共用部が低層部には広がっています。

街を散策する人の流れが街路樹を登るように、スキップフロアが螺旋状にフロアをつくっています。

緑を抜けたエントランスから、濃い影を落とすラウンジ、木漏れ日が落ちるようなライブラリー、木々を横に見渡すようなカフェへと立体的に繋がっていきます。

道路に面した共用部は明るい日差しの影を拡張するように黒く塗り籠められ、街路樹の木陰のスペースを街の中につくりだしています。

 

最上部はプノンペン市内を一望するインフィニティプールが街並に溶け込み、刻々と変化する空の風景を水面が拡張します。

また、プールに併設されたジムではプノンペンの躍動する街を見渡しながら体を動かすことができます。

 

住戸部では、外壁から張り出したり窪んだりしながら設けられたバルコニーが、外観の表情に陰影をつくりながら、半外部の気持ちのよい場所をつくっています。

リビングやベッドルームだけでなく、バスルームなどの水周りも、開口部を設けたりバルコニーと繋がっていたりと、どこにいても風が通り抜け、視線を外へと導きます。

 

現地の材料と技術を駆使しながら、高層建築としての安全と機能に関わるものは日本から材料を輸入し、技術指導の職人も加わっています。

高度な質を実現しながら、佇まいとしては穏やかにそこにあるような、これからのカンボジアの資産となれる建築として残り続けることを願っています。

 

設計監理:田岡博之 / 岩田理一郎(監理)

(川辺直哉建築設計事務所と恊働)

写真:川辺明伸