2019/08/02
11戸のコーポラティブハウスの中の一住戸。
屋外にも屋内にもなるインナーテラスや、共用部と連続する玄関など、中と外が一体となった住環境をつくっています。
コンクリート、木や鉄といった素材を内外連続するように扱い、照明器具も床材と揃えて製作しています。
設計監理:田岡博之、高橋小百合
施工:礎コラム
写真:鈴木研一
2018/08/17
カンボジアの首都プノンペンの中心地に建つサービスアパートメントです。
地下1階地上17階、69戸の住戸と、低層部の共用スペース、最上階にはプールとジムが設けられています。
熱帯という気候で、市街でありながらも豊かに育つ樹木と、明るい日差しと日影に流れる気持ちのよい風、成長する街の鼓動をダイレクトに感じられる市中心地、豊かな環境に建つプノンペンならではの建築を考えています。
大きく育った街路樹からなる自然と一体となった街並をそのまま建物が拡張できるような、開放的な共用部が低層部には広がっています。
街を散策する人の流れが街路樹を登るように、スキップフロアが螺旋状にフロアをつくっています。
緑を抜けたエントランスから、濃い影を落とすラウンジ、木漏れ日が落ちるようなライブラリー、木々を横に見渡すようなカフェへと立体的に繋がっていきます。
道路に面した共用部は明るい日差しの影を拡張するように黒く塗り籠められ、街路樹の木陰のスペースを街の中につくりだしています。
最上部はプノンペン市内を一望するインフィニティプールが街並に溶け込み、刻々と変化する空の風景を水面が拡張します。
また、プールに併設されたジムではプノンペンの躍動する街を見渡しながら体を動かすことができます。
住戸部では、外壁から張り出したり窪んだりしながら設けられたバルコニーが、外観の表情に陰影をつくりながら、半外部の気持ちのよい場所をつくっています。
リビングやベッドルームだけでなく、バスルームなどの水周りも、開口部を設けたりバルコニーと繋がっていたりと、どこにいても風が通り抜け、視線を外へと導きます。
現地の材料と技術を駆使しながら、高層建築としての安全と機能に関わるものは日本から材料を輸入し、技術指導の職人も加わっています。
高度な質を実現しながら、佇まいとしては穏やかにそこにあるような、これからのカンボジアの資産となれる建築として残り続けることを願っています。
設計監理:田岡博之 / 岩田理一郎(監理)
(川辺直哉建築設計事務所と恊働)
写真:川辺明伸
2017/09/16
世田谷区に建つ、不整脈の治療に特化した循環器内科のクリニックです。
住宅地の一角にあり、周りに建物が馴染むように外周部にはルーバーを巡らせています。
医療施設は閉鎖的になりがちですが、腰壁や庇状のバルコニー、ルーバーによって視線の制御を促し、内外ともに明るく開放的な建築となっています。
二方向の道路沿いの人に近い所には樹木や草花を植え、歩道を広げるように一階の壁をセットバックさせて、仕上げに石目の質感のある素材を用いています。
近隣の住民の方々には季節の移ろう道ばたの風景を、訪れる患者の方々には気持ちの和らぐアプローチ空間をつくっています。
夜はルーバー越しの照明がぼんやりと広がり、住宅地の中に行灯の様に浮かび上がります。
施設としては最新の医療設備を備え、病床数は16床となっています。
階ごとに院内用途を分けて計画し、色を用いて患者にもスタッフにもわかりやすく過ごしやすいインテリアとなっています。
壁の角は丸みをつけたり、木の丸棒を設けたりしながら、手触りとしても柔らかいディテールとしています。
敷地が多角形であることから、内部にもゆるやかに折れて行く廊下が現れます。
雁行しながら奥行きのある空間が繋がり、突き当たりには周囲の緑や空へと視線が抜けていきます。
専門分野に特化した最先端の医療施設としての機能を持ちながら、関わる全てのひとと周囲の環境との繋がりをつくっていける新しい街の拠点になることを願っています。
設計監理:田岡博之 / 岩田理一郎
写真:Kenji MASUNAGA
2017/04/08
建築・デザイン系のWebサイト「アーキテクチャーフォト」に「横浜の住宅」を掲載して頂きました。
http://architecturephoto.net/60087/