田岡博之建築設計事務所 HIROYUKI TAOKA ARCHITECTS
〒186-0004
東京都国立市中1-18-30国立スカイビル301
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世田谷区に建つ、不整脈の治療に特化した循環器内科のクリニックです。
住宅地の一角にあり、周りに建物が馴染むように外周部にはルーバーを巡らせています。
医療施設は閉鎖的になりがちですが、腰壁や庇状のバルコニー、ルーバーによって視線の制御を促し、内外ともに明るく開放的な建築となっています。
二方向の道路沿いの人に近い所には樹木や草花を植え、歩道を広げるように一階の壁をセットバックさせて、仕上げに石目の質感のある素材を用いています。
近隣の住民の方々には季節の移ろう道ばたの風景を、訪れる患者の方々には気持ちの和らぐアプローチ空間をつくっています。
夜はルーバー越しの照明がぼんやりと広がり、住宅地の中に行灯の様に浮かび上がります。
施設としては最新の医療設備を備え、病床数は16床となっています。
階ごとに院内用途を分けて計画し、色を用いて患者にもスタッフにもわかりやすく過ごしやすいインテリアとなっています。
壁の角は丸みをつけたり、木の丸棒を設けたりしながら、手触りとしても柔らかいディテールとしています。
敷地が多角形であることから、内部にもゆるやかに折れて行く廊下が現れます。
雁行しながら奥行きのある空間が繋がり、突き当たりには周囲の緑や空へと視線が抜けていきます。
専門分野に特化した最先端の医療施設としての機能を持ちながら、関わる全てのひとと周囲の環境との繋がりをつくっていける新しい街の拠点になることを願っています。
設計監理:田岡博之 / 岩田理一郎
写真:Kenji MASUNAGA